本日2015年1月10日、急きょBSでブリスベン大会準決勝、錦織圭vsラオニッチの試合が放送されていました。
ここではその様子について書いていきたいと思います。
ブリスベン大会準決勝、錦織vsラオニッチのスコアについて
スコアは、
第1セット7ー6
第2セット6-7
第3セット6-7
錦織1-2ラオニッチでした。
どのセットもタイブレークまでもつれ込むという大接戦でした。
試合内容について
試合内容としては、最初から最後まで、“自分のサービスゲームはしっかり取る”というもの。
キープ主体の戦いだったということです。
お互い相手のサービスゲームをブレークすることはありませんでした。
※ブレーク:相手がサーブのゲームで勝つこと
錦織圭
錦織圭は、
- ラオニッチが前に出てきた時には頭上を抜くロブ
- 早いタイミングで打ち返すライジングで裏を突き、バックショットのエース
- 見事なバックのハイボレー
を決めていました。
もちろんラリーも健在でしたが、今回はラリーの数が少なかったなという印象でした。
ラオニッチ
ラオニッチは「ビッグサーバー」ですが、それだけではありませんでした。
- 手足の長さを活かしたキャッチ力
- 錦織と同じくらいのパワーショット
- 早い展開で錦織にラリーをさせないフラットショット(思いっきり引っぱたくショット)
今回の2015ブリスベン大会準決勝ではサービスエース34本と“サーブ”が目立ちましたが、その他のショットもかなりのものでした。
敗因を考える
今回の敗因としては、
- ラオニッチがサーブの調子を落とさなかった
- ラオニッチが錦織圭の得意なプレーを封じていた
- ラオニッチ選手のタフな精神力が崩れなかった
だと思いました。
ラオニッチがサーブの調子を落とさなかった
テニスは精神的な駆け引きが影響するスポーツです。
そのため調子が悪くなっていけばプレーにも響いてくるものですが、ラオニッチは乗りに乗っていて、サーブには絶大な自信がありました。
うまいコースの打ち分けで、錦織圭選手はサーブを取ることが出来ず、取れたとしてもしっかりと打ち返せずキャッチすることで精一杯な場面も多かったです。
プレーに余裕が生まれた時はスイングに無駄な力が入らないので、より速いショットを打てるようになります。
ラオニッチのサーブにスキはありませんでした。
ラオニッチが錦織圭の得意なプレーを封じていた
錦織選手はラリー戦に持ち込んで自分のリズム、ゾーンに持って行く戦法を取ります。
しかし、今回はラオニッチがそれに対してしっかりと対策をしてきていたように思います。
ラリー戦になった時、ラオニッチのフラットショットが目立ったのです。
じっくりラリーをするのではなく、早めに仕掛けて勝負に出ていたということです。
またそのフラットショットの精度も高く、錦織選手は左右に翻弄されていました。
ラオニッチ選手のタフな精神力が崩れなかった
3セットすべてタイブレークまでもつれ込むという大接戦。
これはどちらが集中力を切らすか、調子が狂うかで勝敗が決まってくるだろうなと感じていました。
ラオニッチのサーブが狂い始めるか?錦織選手のラリーにミスが出てくるか?
第3セットのタイブレークで、最初にミスをしたのは錦織選手でした。
最後は錦織圭のサーブをラオニッチがフラットアングルショットのエースを決め、試合終了しました。
錦織圭選手は特に悪いところはありませんでした。
敗因は「ラオニッチのサーブやフラットショットが良く、スキがなかった」だと思います。
前々から錦織圭選手はサーブの強い相手に苦戦する印象があります。
ただ、これは錦織選手に限りません。
サーブという、唯一自分の好きなように打てるショットが強い選手というのは勝ちにくいのです。
かつて、2009年ウィンブルドン決勝でオールラウンダーのフェデラーとビッグサーバーのロディックが戦った時のように。
この時は最終セットで30ゲーム戦うほどの接戦(サービス合戦)でした。
※この時はフェデラー勝利
このようにビッグサーバーは強い選手を苦しめる選手になりやすいのです。
錦織選手が今後さらに強くなっていくためには、フェデラーのような絶妙なコースをついたサーブを打てるようになることが必要だと思います。
何はともあれ、引き続き1月19日開始の全豪オープンで錦織選手を応援しましょう。