2015年全豪オープンの4回戦、アンディ・マレー(世界ランク6位)対グリゴール・ディミトロフ(世界ランク11位)の試合がNHKで放送されていました。
一時期は4強と謳われていたマレーですが、最近はその名を聞く機会も減りました。
さて、どんな試合を見せてくれたのか、その感想を書いていきたいと思います。
スコア
第1セット:マレー6-4ディミトロフ
第2セット:マレー6-7ディミトロフ
※タイブレークはマレー5-7ディミトロフ
第3セット:マレー6-3ディミトロフ
第4セット:マレー7-5ディミトロフ
3-1でマレーが勝利しました。
第1セット
ディミトロフのサーブから始まった第1セット。
かなり早いタイミングでの攻撃でマレーを苦しめます。
“とにかくチャンスあらば打ち込む”というプレーです。
対してマレーは自分らしくゆったりとしたペースを保っています。
第3ゲームまでは完全にディミトロフの流れで試合が進み、マレーの劣勢でした。
しかし、次のゲームでマレーがキープしてからじわじわと流れが変わりました。
マレーはミスが少なく、淡々と試合をこなしているように見えますが、ボールのコースはかなり鋭いところを突いてきています。
ディミトロフは左右に走らされ、最初の勢いがなくなってきました。
また、ファーストサーブの確率も落ち、決定打をアウトするなど苦しい状況。
ついにはマレーがこのセットをモノにします。
マレーはとても相手の動きを見ており、「逆をつくのがうまい!」と思いました。
第2セット
NHKの放送ではゲームカウントが、
マレー4-5ディミトロフ
で、第10ゲーム(マレーのサービスゲーム)から始まりました。
ラリー戦を見てもマレーのショットはめちゃくちゃ早いわけではありません。
しかし、コースがいい。
たとえディミトロフに攻め込まれネットに出て来られたとしても、マレーのボールは足元へのかなりのアングルショットでパッシングを狙います。
それにディミトロフは反応するので精一杯。
次のボールで確実にマレーが叩き込んでポイントを取っていました。
マレーの武器は、
- ザ・組立て
です。
プレー中に戦略を立てるのがうまいので、そこまでハードヒットをしなくても十分相手を揺さぶることが出来るのでしょう。
ただ、このゲームの終盤はブレーク合戦でタイブレークにもつれ込みました。
途中ディミトロフが素晴らしいショットを見せてくれました。
マレーの、相手のバック側を狙うロブをディミトロフが力強くバックのハイボレー!
そして前後にかなり振られた時も最後は片手バックハンドのダウンザラインエース!
最後は強力なサーブをセンターに決め、1時間10分のこのセットはディミトロフが勝ち取りました。
第3セット
このセットの放送は、
ゲームカウント:マレー3-2ディミトロフ
第6ゲーム(ディミトロフのサービスゲーム)から始まりました。
マレーはひたすらラリーでチャンスを伺い、ディミトロフのボールが浮いたらコースを突いて叩き込んでいます。
対してディミトロフの攻撃力が下がっています。
先にミスをするのはディミトロフ。
あまり激しい戦いでないように見えるのはマレーの流れだという証拠。
このセットは6-3でマレーが取りました。
第4セット
第4セットはディミトロフがかなり攻撃的なプレーを続けています。
思い切ってリターンから攻める場面もたくさん。
5-2とかなり有利な展開で試合を進めています。
このセット、あとがなくなったマレーですがプレー自体に変化はありません。
淡々と戦っています。
そしてなんとディミトロフはセットポイントを握りますが、それをなんとか凌いだマレーはその後かなり良いサーブを決めました。
5-3に。
まだまだマレーのピンチは続いているのですが、
- サービスの確率が上がっていること
- 回転がかかった山なりのショートクロスでディミトロフを左右に振っていること
- ディミトロフがミスをするようになったこと
で一気に逆転。
途中ラインズマンがミスジャッジをしたりして、ディミトロフ劣勢に。
結局マレーが4ゲーム連取で逆転し6-5となりました。
この瞬間、ディミトロフは怒りを露わにし、ラケットを叩きつけ、面がV字になるほどめちゃくちゃにしてしまいました。
拾う時は足で踏んで押さえて、両手で真っ二つに。
ラケットを壊すことは良くありませんが、あと1ポイントでこのセットを取れたところから逆転されたディミトロフの気持ちも分からないでもありません。
次のゲーム(マレーのサービスゲーム)、最後はラリー戦でマレーのボールがネットにかかり、相手のコートに入って勝利しました。
貪欲に勝利を目指す両者の戦いは、マレーが勝ち取ったのでした。
今後の動向にも注目したいです。