「流星ワゴン」は、家庭が崩壊してしまった主人公の一雄(カズオ)が、ワゴンに乗って過去の大切な日へタイムスリップし、心の葛藤がありながらも未来を変えようと奮闘する物語です。
ここでは、どんな結末が待っているのか、ドラマと原作では何が違うのか?について書いていきたいと思います。
原作の結末
息子の広樹は引きこもりのまま。それでも変わる兆しが少し…
息子の広樹は、受験に失敗し、引きこもりとなってしまいます。
その理由は、「いじめ」です。
受験勉強で忙しくなってしまったことで、小学校の友達とは全く交流がなくなり、次第にいじめられるように。
さらに受験に落ちて私立ではなく、いじめっ子がいる公立に行くことになりました。
すると、広樹に居場所はありません。
学校に行かなくなってしまったのです。
しかし、ワゴンに乗ってチュウさんと一緒に過去で奮闘してきた一雄は、変わっていました。
「勝ち負けなんて自分で決めちゃえばいいんだから」
ワゴンに乗る前の一雄なら、息子が暴れることにビクビクしていましたが、今なら広樹がどんな思いでこうなってしまったのかが分かっています。
一雄は息子の広樹に積極的に接するようになったのです。
今まで夜中活動、昼間は寝ていた広樹も、夜の0時には寝るようになり、朝はしっかり起きて、朝食は家族3人揃って食べるようになりました。
妻の美代子は外出するも、外泊は減少
美代子は家族に内緒で、テレ○ラを使用し、数えきれないほどの男の人と一夜を共にしてきました。
こうなった理由としては、特に一雄に原因があったというわけではなく、美代子の中毒性に問題があったと書かれています。
夫以外の人との関係を求めていたのです。
一夜限りの関係を好んでいたのです。
一雄がワゴンに乗る前であれば、秋には美代子から離婚届が渡されるということでしたが、ワゴン後の生活ではそのことに触れられていませんでした。
書かれていたことと言えば、“美代子は外泊をしなくなった”ということです。
本の最初のほうには、“美代子が朝まで帰らないことも増えてきた”と書いてあったので、少しの変化はあったのではないかと考えられます。
ただし、美代子の中毒性は完全には直っていません。
きっと一雄はワゴンに乗って過去を見てきたことで、美代子の気持ちを知り、問いただすようなことはしなかったのだと思います。
「少しずつ変わっていけばいい」そう思っていたのかもしれません。
一雄の成長
一雄はワゴンに乗る前、
- 家は荒れ放題
- 広樹は引きこもり、暴力を振るう
- 美代子は家にいないようになる
- 一雄は職を失う
ということが重なっており、現実から逃げ出したいほどの精神状態でした。
しかし、ワゴンに乗って、チュウさんと出会い、過去を変えようと奮闘したことで、一雄の心に少しずつ変化が出てきたように思います。
- チュウさん(父)はどんな思いで家族を見ていたのか
- 広樹、美代子はどんなことで悩んでいたのか
- 親子とはどんなものか
- 自分はこれまで家族に何をしてあげられたのか
こうしたことを真剣に考えるようになった一雄は、これまで憎んでいた父を出来る範囲で理解し、家族(広樹、美代子)を一番に考えるようになりました。
それは、
- しっかり父の葬式に出席したり
- 一雄が広樹を積極的に黒ひげ危機一髪に誘ったり
- テレ○ラから帰ってきた妻の美代子を駅まで車で迎えに行ったり
という行動からうかがえます。
実際はこの後、一雄と美代子は離婚するかもしれません。
逆にしないかもしれません。
ですが、これからどうなるか分からない未来、そう簡単には変えられない未来に対する、一雄の諦めることなく突き進む姿勢からは、大きな成長を感じることが出来ました。
ドラマの結末
ドラマには原作と違うところが多数あります。
例えば、
- 広樹が入院するところ
- 美代子が一雄をものすごく憎んでいるところ
- 美代子がパチンコにいるところ
- 美代子が競馬をしているところ
などです。
何かお金に困っているようにもみえます。
(現在、一雄は職を失っていることから、よりお金に困窮しているのでしょう)
家族内には、まだ一雄が気付いていない問題が存在しているように思います。
そしてそれを知ってもきっと劇的に未来を変えることは出来ないでしょう。
最終回は「これからの未来はどうなるか分からないけど、僕らは進んでいくしかないんだ」というようなシーンで終わることが予想されます。
原作では結末がハッキリしない、なんだかスッキリしない終わり方なのですが、重要なのは「この家族がどうなっていくか」よりも「一雄が何に気付いてどう成長していくか」、だと思います。
きっと、家族・親子の大切な何かを教えてくれるでしょう。
今後、どうドラマが展開されていくのか、楽しみに待ちましょう。